絵本 番ねずみのヤカちゃん

絵本 番ねずみのヤカちゃん

絵本 番ねずみのヤカちゃんの表紙です

絵本 番ねずみのヤカちゃん
◆年齢◆
読んであげるなら6才以上向き
読んであげるなら6才以上向き


◆ジャンル◆
◆ファンタジー絵本

◆シチュエーション◆
◆おやすみ前に絵本



リチャード・ウィルバー 作:大社玲子 絵:松岡享子 訳

編集・発行 福音館書店
発売 福音館書店

初版年月日:1992年05月31日 ISBNコード:4-8340-1099-6

72ページ 22X20cm 1365円(本体1300円+税65円)


通常版はこちら!  定価1365円(本体1300円+税65円)

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表紙をご覧下さい。

真夜中(星とお月さんがまたたいています)、家の窓枠の上で、ねずみがひとり目を見開き、左下方向を見ています。
何をしているのでしょう。
タイトルは「番ねずみのヤカちゃん」
このねずみがヤカちゃんですね。
では、なぜ「ヤカちゃん」という名前なのでしょう。それから「番(ばん)ねずみ」とはいったいどういうことなのでしょうか。
この本は、幼年童話です。挿絵は絵本のように多くはありません。だから、挿絵を支えに、文章だけから本の世界を想像しなければなりませんね。そして、この本の紹介も絵本ほど詳しくすることに限界があります。(紹介文が長くなりますから)紹介はいきおいストーリーだけになっていることを、ご承知おきください。本格童話になればなるほど、ストーリーよりも、文章の文体や行間が非常に大事になります。
さて、この本のみどころは、
「もしも、ライオンのように大きな声のねずみがいたとしたら、いったいどうなるの」という想像が出発点にあります。
どうなるとお思いになりますか?
ねずみお母さんが、子ねずみが一人前(自分で暮らしていってもいいころ)なるにあたって、大事なことを三つあげています。
(1)昼間けっして外を出歩いてはいけない
(2)証拠を残してはいけないーきちんと片づけておく
(3)決して音を立てない
つまり、人間に存在を知られては、危険だということですよね。
ねずみにとって危険なものとは、ねずみ取りと猫だと教えます。
ところが、ヤカちゃんはその名の通り、小さい声はだせないのです。
で、案の定、その声によって、ヤカちゃんたちの存在は、ドドさんに知られてしまいます。
それも、お母さんが教えた通りでしたから、
ヤカちゃんは、
「ああ、そうかあ、これがねずみとりかあ!」
「ねこだ ねこだ ねこだ ねこだ!」と
感動を込めて、余計大きな声になってしまいます。
ここが、読者である子どもたちも、大笑いするところです。
ところが、この、ねずみにとって大変な欠点が、どろぼうをびっくりさせて、追っ払ってしまうことになるのですね。それで「番犬」ならぬ、「番ねずみ」になったという訳です。
どうでしょう、大きな声をもったねずみが、「番ねずみ」になるなんて想像できたでしょうか。
この本には、もうひとつ面白い点があります。
ねずみお母さんは、子どもの注意するべきことを、歌にのせて教えます。
『もしも 小さな板切れの上に
 おいしいチーズが のっていたら 
 すぐに かぶついては いけないよ
 よくよく しらべてみるんだよ
 もしも その小さな 板切れに バネがついていて
 そのバネのさきに ふといかねのぼうが ついていたら
 ……』
猫についても、歌って聞かせます。
子どもは言って聞かせても、なかなか聞いてはくれませんね。しかるとよけいにしたがりませんか。うまい手ですね。



内容紹介です

『あるところに、おかあさんねずみと四匹の子ねずみがいました。三びきはしずかな子でした。でも四ひきめは、「やかましやのヤカちゃん」と呼ばれていました。どうしてこんな名がついたのでしょう。ヤカちゃん一家はドドさんの家に住んでいました』
「ある日、お母さんはいいました。
「もう、自分で食べものを見つけて、自分で暮らしていってもいいころ。でも、その前に大事なことを話しておかなくっちゃ」
「ドドさんは、私たちがここに住んでいることをしりません。もししれたらただではすまないってこと。よくよく用心しなくちゃね」
「で、第一に、昼間は外を出歩かないこと。台所へいってチーズを食べたいと思っても、ドドさんたちが寝るまで待つこと。第二に、台所へ行ったら証拠を残さないこと。食べた後は片づけておくんだよ。第三に、これが一番大事なことよ。けっして音をたてないこと。わかったかい」
三番目までの子ねずみは「うん、わかったよ、おかあさん」と小さい声で言いました。
四番目の子ねずみは、大きな声でいいました。
**「うんわかったよ、おかあさん」
だから、この四番目の子ねずみは、「ヤカちゃん」と呼ばれるようになったのです。
「しーっ、しずかに!」
こんな風にヤカちゃんは、お母さんからねずみ取りや猫のことを聞いて、「わかったよ」と答えるときも、びっくりするほど大きな声を出すのでした。ヤカちゃんはどうしても声を小さくすることはできないのです。
ある晩のこと、
ドドさんは、奥さんにいいました。
「ねえ、おまえ、うちの壁のなかに、ライオンがいるんじゃないかね」
ちょうどそのとき、壁のなかでヤカちゃんが何か言いました。それがあんまり大きかったので、うちじゅうがゆれました。
それで、ドドさんがねずみ取りを用意しました。
けれど、お母さんが教えてくれていたので、
**「ああ、そうかあ、これかあ!」
**「おーい、ねずみ取りだぞう」
ドドさんは、これではだめと、猫を買って来ました。
こんども、ヤカちゃんは猫とはどんなものか、おかあさんに聞いていたので、

ねこだッ!

**「たいへん、たいへん、居間に猫がいるよ」
そのあまりに大きな声に、猫は椅子の下で震えていました。
次の日、ドドさんは猫を返しに行きました。
さてその晩、ヤカちゃんは、
(今夜こそ、おいしいチーズをちょうだいしなくっちゃ)と考え、真夜中、台所にむかいました。
ところが、居間を横切っているとき、
突然、ひとつの窓がスルスルと音もなく開いて、見たこともない男の人が入ってきました。その人は背中に大きな袋を担いでいました。
男はまるでねずみのように、こっそりと暖炉の側までいきました。
(なにしにきたのだろう?)
すると、男は、ろうそく立て・金のかざりばこを袋に入れました。
「あんなふうに、ものをとっていいはずないぞ)
やがて、男は食堂へいき、いろんなものを袋にいれはじめました。
それから男は台所へいくと、なんと、上等のチーズを切って食べようとしたのです

どろぼー!

**「どろぼー! それ、ぼくのたべるチーズだぞ!」
ヤカちゃんはいつもよりずっと大きな声でどなりました。
男はびっくり。
何もかも放って、あとも見ず、逃げ出していきました。
これで、ヤカちゃんが何故、「番ねずみのヤカちゃん」と呼ばれるようになったかおわかりでしょう。
『それからというもの、ヤカちゃんたちは、もう、食べものの心配はなくなりました』







読み聞かせのポイント
幼年童話ですが、それほど難しくはありません。自分で読み始めた子にぴったりです。ライオンのような声をしたネズミがいったいどうなるか、その興味がお話をぐいぐい引っ張ってくれます。
このことは、読み聞かせにおいても同じです。挿絵もありますので、読み聞かせの場合には、絵本のように絵をみせながら、読んであげてください。ヤカちゃんは大きな声なので、少し大きめに読んであげるといいですね。
また、歌のところは適当に作曲して歌ってあげてください。歌えない方は少し歌風に読んであげてもいいですよ。

絵本 番ねずみのヤカちゃん
◆年齢◆
読んであげるなら6才以上向き
読んであげるなら6才以上向き


◆ジャンル◆
◆ファンタジー絵本

◆シチュエーション◆
◆おやすみ前に絵本


リチャード・ウィルバー 作:大社玲子 絵:松岡享子 訳

編集・発行 福音館書店
発売 福音館書店

初版年月日:1992年05月31日 ISBNコード:4-8340-1099-6

72ページ 22X20cm 1365円(本体1300円+税65円)


通常版はこちら!  定価1365円(本体1300円+税65円)

「えほんおじさんセット」はこちら!  セット価格1565円(税込)

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作者リチャード・ウィルバー
1921年ニューヨーク生まれ。詩・翻訳・評論で活躍。
翻訳者松岡享子さん関連図書
「しろいうさぎとくろいうさぎ」 ガース・ウィリアムズ 文・絵
「おやすみなさいフランシス」 ラッセル・ホーバン 文  ガース・ウィリアムズ 絵
「くまのパディントン」 マイケル・ボンド 作  ペギー・フォートナム 絵
「こぐまのくまくん」はじめてよむどうわ1 E・H・ミナリック 作  モーリス・センダック 絵
「あたまをつかった小さなおばあさん」 ホープ・ニューウェル 作  山脇百合子 絵
画家大社玲子さん関連図書 「ちびねこグルのぼうけん」 アン・ピートリ 作  古川博巳・黒沢優子 訳

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