絵本 いたずらきかんしゃ ちゅうちゅう

絵本 いたずらきかんしゃ ちゅうちゅう

絵本 いたずらきかんしゃ ちゅうちゅうの表紙です

絵本 いたずらきかんしゃ ちゅうちゅう
◆年齢◆
読み聞かせは5〜6才から。
自分で読む場合は小学生低学年以上です

◆ジャンル◆
◆のりもの絵本

◆シチュエーション◆
◆みんなでわいわいな絵本



バージニア・リー・バートン 文・絵:村岡花子 訳 福音館書店

初版年月日:1961年08月01日 ISBNコード:4-8340-0004-4

46ページ 32X24cm 定価1155円(本体1100円+税55円)


通常版はこちら!  定価1155円(本体1100円+税55円)

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この本は67年前にアメリカで出版され、日本では45年前に出版された絵本です。それが今なお読み継がれています。

子どもの本の世界ではそれほど珍しくはありませんが、それでも息のながい本の一冊です。このようにながく読み継がれるには、どんな魅力があるのでしょうか。
この絵本は、墨一色ですが、見返しだけがカラーです。その見返しは、いたずら「ちゅうちゅう」が引き起こすことになる事件の舞台のすべてが一望できるようになっています。
そのことが読み終えた後になってわかる仕掛けになっています。
また墨一色の絵本である理由も読んだ後に判ってくるはずです。やはりこの絵本は墨一色がいちばん似合っています。
見返しのいちばん手前の機関車が「ちゅうちゅう」のようです。どんないたずらをするつもりなのでしょう。
扉をあけると、いきなりダイナミックに、煙を残したちゅちゅうらしき機関車が猛スピードで通り過ぎていきました。びっくりして動物も人も逃げだそうとしているし、あまりの速さで通り過ぎたために、ぼうしもふきとんでいます。
タイトルが「ちゅうちゅう いたずらきかんしゃ」となっていて、「ははあ」この絵本はこの機関車が走りまわり、いたずらをするのだなと思わせます。
さて、最初のページをあけると、名前は「ちゅうちゅう、真っ黒くてぴかぴか、 きれいなかわいい」機関車ですとあって、ちゅうちゅうにはどんな能力(?)が備わっているか、その面倒をみる三人(ジム・オーリー・アーチボルト)が紹介されます。
それから「ちゅうちゅう」がどんな日常生活をおくっているかが語られます。その語り口が淡々としていて、ちゅうちゅうの生活と環境(田園風景)も実に落ち着いたものです。
このようなちゅうちゅうの日常生活も、今となってはそれ自体が大きな魅力になっていますね。大人の郷愁としての蒸気機関車(私は高校時代、汽車で学校に通っていました)ではなく、どこかにあるこの世界では、ちゅうちゅうは今でもこんな日常を生きているのですね。ほんとうに汽車は力強い人間のなかまのような存在です。
そんなちゅうちゅうが、ある日、「客車なんか引かなければ、私は… なんてはやい、しゃれた、きれいな、すてきな機関車だ」、さあ見てほしいと逃げだします。ここからが、この絵本のもう一つの魅力です。
「みんな仕事をやめて、わたしをごらん! 声をおきき!」
どうです、ちゅうちゅうみたいにやってみたい、言ってみたいとおもいませんか。人にはたまに非日常的経験が必要です。そうしてバランスを保つから生きていけるのではないでしょうか。
ちゅうちゅうの大暴走をめぐって起きるおおさわぎは、まわりにはもちろん大迷惑ですね。でも、みているぶんには実におもしろいですね。
事件の中で人びとはどんな行動をとるか、それらがオーバーに描かれています。
たとえば、踏切では先頭の車が急ブレーキをかけたのでしょう、遮断機にぶつかって、後続の車は次々前の車に追突しています。道路は延々と大混雑です。人びとはびっくりして尻餅をついています。なかには上がってしまった遮断機といっしょに持ち上げられてしまった人もいます。踏切手は飛び上がって怒っています。
次の場面では、あがっているはね橋を飛び越えている「ちゅうちゅう」の下で、汽船の人たちが「落ちてくる!」と思い、河に飛び込んでいます。

いたずらきかんしゃ ちゅうちゅう 落ちてくる!

炭水車を落としてしまった「ちゅうちゅう」はだんだん不安になってきました。そして使っていない古い線路へ迷い込みました。ついに「……ちゅう」と、座り込んでしまいました。その不安は森の木の不気味さによって表現されています。ちゅうちゅうはどうなるのでしょうか。
でも、だいじょうぶです。
例の三人組(ジム・オーリー・アーチボルト)は必死になって追いかけ、助けに来てくれます。その必死さから三人組が「ちゅうちゅう」のことをどんなに好きだかわかります。
もうひとり、最後の場面で、若い頃機関士をしていたおじいさんがジムに、古い線路を指さし「こっちだよ」と教えてくれます。気になって見に来たのでしょう。この人も汽車を愛し続けているのでしょうね。
ところで、「ちゅうちゅう」を追いかけ助けるのは、最新式の機関車(たぶんディーゼル機関車)ですが、それはこれからの時代の流れを暗示しています。いずれ取り残される運命にあるものに対する愛着がこの物語の背景に隠れています。



内容紹介です

あるところに、小さな機関車がありました。名前はちゅうちゅうといいました。真っ黒くて、ぴかぴかしていて、きれいなかわいい機関車でした。


ちゅうちゅうの汽笛は、ぴぃぃぃぃぃー、鐘は、かんかん!かんかん!と鳴りました。ブレーキは、すうすすす しゅう しゅっしゅ!。
機関士のジムは、いつもみがいたり油を差したり、機関助士のオーリーは、石炭と水をあげます。
ちゅうちゅうの後ろには、石炭と水を入れる炭水車がついていました。車掌さんのアーチボルトは、いつ出発したらいいか教えてくれます。

小さな町の駅から 大きな町の駅まで 行ったり来たり

ちゅうちゅうの引っ張る客車には、人がいっぱい乗り、貨車には、荷物がいっぱい積んであります。
ちゅうちゅうは、小さな町の駅から、大きな町の駅まで、行ったり来たりします。畑を通り抜け、国道を横切り、踏切を渡り、丘を下り、跳ね橋を渡り…。
ある日、ちゅうちゅうは考えました。
『私は、重い客車をひくのはごめんだ。
 ひとりなら、もっと早く走れる。
 そうしたら、きっとみんなが立ち止まって、
「なんて きのきいた かわいい きかんしゃだろう!
 なんて はやい しゃれた きかんしゃだろう!
 なんて きれいな すてきな きかんしゃだ! 
 あれ、ごらん。
 ひとつだけで はしっているよ」って』。
次の日、ジムとオーリーとアーチボルトが珈琲店で休んでいた時、ちゅうちゅうはたったひとりで線路に立っていました。
「さあ、今だ!」
ちゅうちゅうは走り出しました。
「みんな しごとを やめて、わたしを ごらん!」
ちゅうちゅうは勢いよく走りました。畑の牛や馬や鶏はびっくり。人も驚きました。
ちゅうちゅうは勢いよく踏切を通り抜けました。自動車やトラックは、あわててブレーキをかけたので、みんなぶつかってしまいました。

あがったはね橋も とびこえてしまいました

ちゅうちゅうは丘を下ります。もう、止まろうと思っても止まれません。
あ、はね橋があがっています!ちゅうちゅうは、とびあがって――やっと、むこうの橋にとびつきました。
けれども、炭水車は落ちてしまいました。炭水車は、運よく、下を通っていた船の上に落ちました。
町を抜け、原っぱを通り……辺りは暗くなってきて、ちゅうちゅうは道がわからなくなりました。炭水車がなくなったので、石炭も水もあと少しです。
とうとう、古い古い線路に迷い込み、そこでちゅうちゅうは、とうとう座り込んでしまいました!
さて、こちらは、ジムとオーリーとアーチボルトです。
ちゅうちゅうがひとりで行ってしまったので、三人はあわてて後を追いかけました。走って追いかけるのにくたびれた頃、最新式の機関車が通りかかりました。
「ぼくの きかんしゃが にげだしたんだ。
 つかまえるんだから、てつだってくれたまえ」
さあ、ちゅうちゅうはいったい……。







読み聞かせのポイント
この絵本の前半部分は、ちゅうちゅうがどんな人(?)で、毎日をどのように過ごしているか、その日常生活が淡々と描かれます。読み聞かせも、淡々と、押さえた調子で読んであげるといいですね。
後半の前半部はちゅうちゅうが、淡々とした日常にいやけがさし、一人で走ったらもっと早く走れる、そしたらみんな私をどんなにすてきだろうと思ってくれるだろうと、逃げだします。
ここから俄然スピード感が加わってきます。もう周りは大騒ぎです。だから、読み手のほうも熱が入ってきて、読むスピードも速くなり、声も大きくなりますね。でも、それは自然にそうなる程度にしましょう。
そして、最後半部はちゅうちゅうがどうなるのか、子どもたちはドキドキしながら聞いています。いつもちゅうちゅうを大事にしているジムたちがどんなに心配しているかが伝わるようこころを込める必要があります。
また、この絵本は絵と文字配列が一体となっています。文字の並びかたの感じがでるように工夫してみてください。

絵本 いたずらきかんしゃ ちゅうちゅう
◆年齢◆
読み聞かせは5〜6才から。
自分で読む場合は小学生低学年以上です

◆ジャンル◆
◆のりもの絵本

◆シチュエーション◆
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バージニア・リー・バートン 文・絵:村岡花子 訳 福音館書店

初版年月日:1961年08月01日 ISBNコード:4-8340-0004-4

46ページ 32X24cm 定価1155円(本体1100円+税55円)


通常版はこちら!  定価1155円(本体1100円+税55円)

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