絵本 てぶくろ

絵本 てぶくろ

絵本 てぶくろの表紙です

絵本 てぶくろ
◆年齢◆
読み聞かせは4〜5才から。
自分で読む場合は小学校低学年向きです

◆ジャンル◆
◆むかしばなし絵本

◆シチュエーション◆
◆おやすみの前に絵本



エウゲーニー・M・ラチョフ・え うちだりさこ・やく 福音館書店

初版年月日:1965年11月01日 ISBNコード:4-8340-0050-8

16ページ 28X23cm 定価1050円(税込)


通常版はこちら!  定価1050円(税込)

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ウクライナの昔話を絵本にしたものですが、なんとも不思議な絵本ではないでしょうか。

こんなに大うそなのに、次々に大きな動物がてぶくろにはいっていくのに、何の違和感もないのです。
もう数年もまえのことですが、ある保育園での読み聞かせを終えて、帰ろうとすると、みなちゃんが つーと寄ってきて、そっといったのです。
「おじちゃん、てぶくろさん、よかったね」と。
そのときは、「てぶくろ」は古典中の古典だし、てぶくろはおじいさんのもとに帰ったのだから、めでたしめでたしと子どもたちは満足してくれたわい、とほくそ笑んで帰りました。
ところが、あるひ、ふと、まど・みちおさんの詩からの連想で、
「てぶくろさんは、てぶくろさんであることがうれしいのね」
と浮かんできて、同時にみなちゃんの「てぶくろさん よかったね」といったことばがよみがってきました。
そうして、あらためて絵本をみると、最初にねずみがかけてくる場面のてぶくろは、かなしく、さびしそうです。
そしてつぎからつぎへと、動物が入ってくるたびに、元気になってくるのです。そのことはてぶくろの親指をみればわかります。そうするとなじみのてぶくろという絵本がまるで違って見えてきました。
それから、会話の方ではなく、地の文は一体誰が言っているのでしょう。
「もうこれで、四ひきになりました。おおかみがやってきました」
「さあ こまりました」
「いまにもはじけそうです」
これはひょっとして、てぶくろ自身が言っているのではないでしょうか。そこから、てぶくろの身になって考えてみると、てぶくろはすばらしい演技をしているのがわかります。
自分はどんどんおおきくなり、動物たちを迎え、それでさらにうれしくなって、玄関を用意し、鈴をあつらへ、暖房をしつらへ、窓も開けました。
七匹目にはのっそりくまさんまで来てくれたのです。もうはちきれんばかりにうれしいのでしょう。
てぶくろは、じっとしていて、観客の方の視点を上下させ、観客を左右にゆさぶること(少なくも180度間)によって、あたかも舞人がなるように観客を舞わせ、魅了し、現実から想像の世界へ誘いこんでしまいます。
そのとき、「だれだ、てぶくろにすんでいるのは?」という繰り返しは呪文のことばですから、よりいっそうの誘いになります。
それだから、観客はそれとは気つかず、何の違和感ももち得ないのでしょう。
そんな想像の中にいた時間はいかほどだったのでしょうか。
「てぶくろ」がれっきとした「てぶくろおうち」になるまでのあいだ、くいしんぼねずみがきて、のっそりぐまがくらすようになるまでの時間、それは永遠とも言える時間でした。
しかしその現実の時間は30分もたっていないかもしれません。なぜならこんなに雪が降っているのに、あまり積もってはいないからです。おじいさんははやくに気がついて、とりにもどりました。みんなはどこかへ消えてしまいました。
この絵本はてぶくろという題であり、主人公はてぶくろなのだとみなちゃんに教えてもらいました。
みなちゃんはきっとこう言いたかったのではないでしょうか。
「片方だけになって、忘れられて、かなしかったけれど、てぶくろであることがうれしい、それを考えてたの。
 
 だから、てぶくろは一人で夢の中で、いろんな動物を誘って、入ってもらうがうれしかった。
 
 けどやっぱり、おじいさんの手にはいってもらい、両方でいるのがもっとうれしい。

 最後にそうなって、ほんとに よかったね」



内容紹介です

おじいさんが、もりをあるいていきました。こいぬがあとからついていきました。
おじいさんはあるいているうちに、てぶくろをかたほうおとして、そのままいってしまいました。
すると、ねずみがかけてきててぶくろにもぐりこんでいいました。
「ここで くらすことに するわ」
そこへ かえるが ぴょんぴょんはねてきました。
「だれ、てぶくろに すんでいるのは?」
「くしんぼねずみ。あなたは?」
「ぴょんぴょんがえるよ。わたしもいれて」
「どうぞ」
ほら、もう 二ひきに なりました。

きつねさんがきました。

そのあと、はやあしうさぎ、おしゃれぎつね、はいいろおかみとつぎつぎやってきて、いっしょにくらすことになりました。
もうこれで 五ひきです。

いのししさんがきましたよ

いのししが やってきました。
「ふるん ふるん ふるん。だれだね、てぶくろに すんでいるのは?」
「くしんぼねずみと ぴょんぴょんがえると はやあしうさぎと おしゃれぎつねと はいいろおおかみ。あなたは?」
「きばもちいのししだよ。わたしも いれてくれ」
さあこまりました。
「ちょっと むりじゃないですか」
「いや、どうしても はいってみせる」
「それじゃ どうぞ」
七ひきめに、のっそりぐまがきて、むりやりはいります。
てぶくろは いまにも はじけそうです。
そのころおじいさんは、てぶくろを落としたことに気がつきました。
てぶくろのどうぶつたちは…。







読み聞かせのポイント
てぶくろは、昔話を語るように、たんたんとゆったりと読んであげるとよいでしょう。
めくり方も、強弱をつける必要はありません。
途中の質問はなし。
もし質問されても、たちどまらないで、最後まで読み通しましょう。終わってから、質問のページに帰って、話し合うのもいいでしょう。
読み手が途中で質問するなんてことはないように。
なぜかって、てぶくろが昔話絵本だからです。
昔話はもともと、声だけでイメージを創らなければなりません。
想像することに、邪魔な要素はできるだけないほうがいいのです。
大きな声で読んだり、声色があまりにオーバーであったりすると、その世界を壊してしまうおそれがあります。

絵本 てぶくろ
◆年齢◆
読み聞かせは4〜5才から。
自分で読む場合は小学校低学年向きです

◆ジャンル◆
◆むかしばなし絵本

◆シチュエーション◆
◆おやすみの前に絵本


エウゲーニー・M・ラチョフ・え うちだりさこ・やく 福音館書店

初版年月日:1965年11月01日 ISBNコード:4-8340-0050-8

16ページ 28X23cm 定価1050円(税込)


通常版はこちら!  定価1050円(税込)

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