絵本 はじめてのゆき

絵本 はじめてのゆき

絵本 はじめてのゆきの表紙です

絵本 はじめてのゆき
◆年齢◆
読んであげるなら2・3才から
自分で読むなら小学校低学年向き


◆ジャンル◆
◆まいにち絵本

◆シチュエーション◆
◆おでかけしよう!絵本



中川李枝子 作:中川宗弥 絵

編集・発行 福音館書店
発売 福音館書店

初版年月日:1996年01月20日 ISBNコード:4-8340-1348-0

28ページ 27X20cm 定価840円(税込)


通常版はこちら!  定価840円(税込)

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青みがかった灰色の表紙に、白い窓があいています。

みると「さむいよー」といっている感じのねこ?がいます。その上のタイトルは「はじめてのゆき」。表紙をめくって見返しをみると、薄い灰色の空から白いものが落ちてきました。
さて、「とらのこ」の「とらた」はこんな体験をします。
(2)「ぼくの砂場やバケツやシャベルがない」
(3)「あまり柔らかくふわふわしていて、おしりごと埋まりました」
(4)「…とても寒いんだなあ」
(5)「両手にいっぱいのせると」
(6)「つめたい!僕の手が凍る」
(7)「…が、屋根から音をたてて、落ちてきました」
(8)「…あぶないぞ、ぼうしをかぶろう」
こういうものってなんでしょうか。
とらのこ「とらた」は、雪というものをはじめて体験しました。そのひとつひとつを感覚として経験していくようすが描かれています。
「もの」はいろんな性質をもっています。子どもは、それらの性質を、ひとつひとつ自分の五感(子どもは六感を持つ?)で感じ、その感じたものを総合して、「もの」を捉えます。=感覚の論理。
こうした感覚の論理が駆使されているかどうかが、子どもの本の前提ですね。この絵本は実にそのことがよく分かります。
同様にして、後半は遊びを通した、つまり、体全体での関わりから得られる経験が描かれます。
とらたが、万全の準備をして外に出ると、
「ゆきがっせんだー」と何者かが、雪のたまを投げてきます。
「ゆきが ふると、ふとって おおきくなるもの あててみろ」
こうして、とらたは雪だるまと遊びます。
「ああ いいきもち、うれしいな。…
 ふとって ふとって、おおゆきだるま」
それに、大きくなりすぎて、とらたはやっとのこと、雪だるまを起こしてあげました。
ところが、…
2枚目の画像をご覧下さい。左ページ全体が、鮮やかなスカイブルーです。(この場面が裏表紙になっています)
「いつのまにか、ゆきのそらは まっさお」「ゆきが まぶしく かがやいていました」
右ページでは、ゆげをたてて雪だるまはやせてきます。
「どうして ゆげがでるの」
「おひさまが でてきたから」と雪だるまは答えます。
こうして読んでいくと、
(9)たまを作って、なげっこできる。
(10)「ああ いいきもち、うれしいな。…ふとって ふとって…」と、それでできたものが喜んで、いっしょに遊べるもの
(11)おひさまがでると、ゆげがでる。
とらたが体験した(2)〜(11)の感覚は、とらたに同一化していますから、読者である子どもにも、具体的感覚的に伝わってくるはずです。この読書経験は、南の地の子どもたちにも、ほんの少しの積雪であっても、瞬時にとらたの「はじめてのゆき」体験がよみがえって、その感覚を呼び覚ますことになるはずですね。その場合は想像された世界として。
そうそう(1)を記しておかなければなりません。
(1)灰色の空とその空から白いものが降ってくる
ですね。こちらは読者だけが体験できることですね。
(とらたは前の晩から、空が灰色になって、白いものが落ちていたことを知っていた可能性はあります。その証拠に外へ出たとたんに、「ゆきだ!」と言っています。ゆきというものを話には聞いていたのですね。でもここでは、とらたの実体験(2)〜(11)だけを体験と考えました。これに較べ読者の子どもは、絵本をまるごと一冊体験します)
それにしても、この絵本は裏表紙のスカイブルーが印象的です。裏表紙を見るだけで、とらたの「はじめてのゆき」体験がイメージされてきます。



内容紹介です

『あさです。
とらのことらたは、あつい みるくを のみました。
「あれ?」
とらたは うんどうぐつを はいて、そとへ でました』
『まあ、どこもかしこも まっしろ。
「ゆきだ たいへん!
ぼくの すなばが ない。
ばけつが ない。
しゃべるが ない。
とらたが ひとあし ひとあし あるくと、あしが ゆきのなかに はいりました』
『とらたは うんどうぐつを ぬいで、ながぐつを はきました。
「ああ、きれいな ゆき!
ふんじゃ もったいない」
とらたは ゆきのうえに、そっと すわりました。
すると』
『ゆきが あまり やわらかく ふわふわしていて、
とらたは、おしりごと ゆきに うまりました。
「たすけてー」

とらたが ゆきに うまってしまっています

とらたはやっと這いだすと、震えながら家へ。ストーブでおしりを暖めました。
「ふーっ。ゆきって とても さむいんだなあ。セーターをきよう」
今度は、とらたは雪を両手に乗せました。
「つめたい! ぼくの てが こおる」
それで手袋をはめて外へ出ました。すると、
屋根の雪が、とらたの上へ。
「ひどい ひどい」
「ゆきって あぶないぞ。ぼうしをかぶろう」
「もうへいき」とらたは胸をはって、外へ出ました。
いきなり雪のたまが飛んできました
「ゆきがっせんだよー」
「だれだー」
「ゆきが ふると、ふとって おおききなるもの あててみろ」
「まだ わからないのかー」と小さな雪だるまが、はずんでやってきました。
「ああ いいきもち、うれしいな。 ゆきが ふれば このとおり。
ふとって ふとって、おおゆきだるま」
太った雪だるまは、大きくなりすぎて、
「たすけてー」。
とらたが手伝って、やっとおきあがりました。
雪だるまは、見つかったシャベルで雪を食べ、また大きくなりました。

そらはまっさお でも 雪だるまは…

ところが、『いつのまにか、そらはまっさおに…』







読み聞かせのポイント
この絵本を2、3才向きに掲げますが、実際は3才くらいからがいいと思います。
「ゆきだ たいへん!
 ぼくの すなばが ない。
 ばけつが ない。
 しゃべるが ない」
誰でもそうでしょうが、何か起こった際、まず自分に愛着のあるものが気になりますね。とらたもそうです。子どもたちもそうでしょう。この4ページ目のこの言葉のリアリティが、お話の中に子どもたちを誘う大きなポイントですね。この驚きを少し強めに読めば、もう大丈夫です。
今ひとつは、「。すると、」(3回)の後のめくりに、工夫が必要かもしれません。

絵本 はじめてのゆき
◆年齢◆
読んであげるなら2・3才から
自分で読むなら小学校低学年向き


◆ジャンル◆
◆まいにち絵本

◆シチュエーション◆
◆おでかけしよう!絵本


中川李枝子 作:中川宗弥 絵

編集・発行 福音館書店
発売 福音館書店

初版年月日:1996年01月20日 ISBNコード:4-8340-1348-0

28ページ 27X20cm 定価840円(税込)


通常版はこちら!  定価840円(税込)

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